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2001 年度 実績報告書

海馬長期増強の形成を促進させる薬物の作用機序の解明と学習亢進薬への応用

研究課題

研究課題/領域番号 13771390
研究種目

奨励研究(A)

研究機関日本大学

研究代表者

枝川 義邦  日本大学, 薬学部, 助手 (50303607)

キーワード海馬体 / 歯状回 / 長期増強 / レンチナン / β-グルカン / 副腎摘出 / コルチコステロン / 麻酔下ラット
研究概要

平成13年度は電気生理学的検討を行った.具体的には,麻酔下ラットの海馬体歯状回顆粒細胞層から誘発電位を記録し,シイタケ由来で抗腫瘍効果をもつ多糖(β-グルカン)のレンチナンが長期増強(LTP)に及ぼす影響を検討した.
レンチナンを経口投与(200mg/kg)しても低頻度刺激(0.03Hz)により誘発される集合活動電位の振幅に影響を与えなかったが,60Hz,20発のテタヌス刺激で誘導されるLTPを有意に増強した.LTPに対する効果はレンチナンの静脈内投与(0.2-10mg/kg)についても調べ,増強効果が10型の用量作用曲線を描き至適用量は1.0mg/kgであることを明らかにした.レンチナンによるLTP形成亢進は,100Hz,100発のテタヌス刺激を用いた場合は見られなかった.また,レンチナンに構造が類似している他のβ-グルカンを静脈内投与しても有意な増強効果は観察されなかった.以上の結果より,レンチナンはβ-グルカン中でも特異的に歯状回LTPの形成を促進することが示唆され,その増強には至適用量が存在し,条件刺激依存的な効果であることが明らかとなった.
次に,末梢に投与したレンチナンが中枢のシナプス活動を調節する機序を検討した.中枢のシナプス伝達または長期増強を調節する因子の候補として,血圧・心拍数・血中グルコース濃度・血中コルチコステロン濃度を挙げレンチナンがこれらに及ぼす影響を検討したが,有意な効果は見られなかった.コルチコステロンは副腎から放出されるホルモンなので,副腎摘出を施術したラットを用いた検討を行った.副腎摘出ラットではレンチナンのLTP増強効果が消失したが,外来性コルチコステロンはLTP増強効果を回復させた.以上の結果は,レンチナンによるLTP増強効果には副腎からコルチコステロンが放出される過程が必要であることを示唆する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshikuni Edagawa, Miro Smriga, Nobuyoshi Nishiyama, Hiroshi Saito: "Systemic administration of lentinan, a branched β-glucan, enhances long-term potentiation in the rat dentate gyrus in vivo"Neuroscience Letters. 314. 139-142 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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