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2001 年度 実績報告書

グリア細胞における低レベル酸化的ストレス応答の分子機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 13771419
研究種目

奨励研究(A)

研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

三浦 ゆり  (財)東京都老人総合研究所, アイソトープ部門, 研究員 (00216574)

キーワード酸化的ストレス / 老化 / 細胞応答 / 過酸化水素 / 活性酸素 / グルタチオン / グリア細胞 / 細胞増殖
研究概要

平成13年度は、低レベル酸化的ストレスによる細胞応答に及ぼす加齢の影響に重点を置き、低濃度過酸化水素処理による適応応答に及ぼす加齢の影響及び細胞内グルタチオン濃度の変動に及ぼす加齢の影響について調べた。
1.低レベルの酸化的ストレスに対する適応応答を調べるため、1μM過酸化水素を添加した後3時間後にX線を照射し、X線照射による細胞増殖阻害について、種々の月齢のラットグリア細胞を用いて検討した。1、4、9、24ヶ月齢のラットの細胞で検討したところ、1ヶ月齢のラットの細胞では1μM過酸化水素の処理により増殖阻害が抑制され、適応応答が認められたが、月齢が増加するとともに応答能は低下し、老齢ラットの細胞では適応応答は全く認められなかった。若齢の細胞では適応応答が認められるが、老齢の細胞では認められないという結果は、低線量放射線適応応答の結果と同じであった。以上より、低濃度過酸化水素処理及び低線量放射線照射などのような低レベル酸化的ストレスに対する細胞応答能は、細胞増殖における適応応答能を指標とした場合に、加齢により低下することが明らかになった。
2.細胞内グルタチオン含量は、還元型グルタチオンを4%モノクロロ酢酸で抽出後、電気化学検出器を備えた高速液体クロマトグラフイーにより分析し、タンパク質あたりの含量として表した。その結果、1、4ヶ月齢の細胞では、1μM過酸化水素の処理直後はわずかに低下するが、その後回復し24時間後ではグルタチオンが増加する傾向にあることが明らかになった。しかし、9、18、24ヶ月齢のラットの細胞では、直後に低下しその後回復するのみで、24時間後に増加する傾向は見られなかった。以上より、グルタチオン含量の変動にも、細胞応答能の加齢による低下が認められることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Miura, Y. et al.: "Cellular mechanisms of radiation adaptive response in cultured gliai cells."ISRH proceedings. (in press). (2002)

  • [文献書誌] 三浦ゆり 他: "酸化的ストレス応答と老化"磁気共鳴と医学. 12. 131-134 (2001)

  • [文献書誌] Suzuki, S. et al.: "A mathematical model of mixed irradiation."Space Utilization Research. 17. 60-63 (2001)

  • [文献書誌] Miura, Y. et al.: "Pathophysiological significance of in vivo ESR signal decay in brain damage caused by X-irradiation."Biochim. Biophys. Acta. 1525. 167-172 (2001)

  • [文献書誌] Miura, Y. et al.: "Cell response and gene expression due to the slight oxidative stress in cultured glial cells."I Radiat. Res.. 42. 510 (2001)

  • [文献書誌] 小沢俊彦, 三浦ゆり: "酸化的ストレスの非侵襲的評価法の開発"酸化的ストレス(別冊医学の歩み). 123-126 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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