研究概要 |
施設ケアの質に大きな影響を与える要因の一つに、援助者の高齢者への対応の仕方があげられる。これは、援助者個人の人間観、人生観、ケア実践体験などによって構築された、高齢責に向けられるまなざし、つまり「老い」観が大きく関わっていると考える。本研究の目的は,老人保健施設に勤務する看護・介護スタッフを一つの集団として捉え、この集団の中で共有されている「老い」観を明らかにすること、さらにそれが日々のケア行動にどのような影響を与えているかを明らかにすることである。 研究の進行状況であるが、平成13年6月から9月にかけて、関連文献の収集および予備調査を行い、半構成的面接の内容を作哉した。面接内容は、対象者の属性、成長過程での高齢者との関わり、同居体験や介護体験の有無、過去のケア実践体験と、現在の施設におけるケア実践体験などである。調査は、松山市およびその近郊の老人保健施設のうち、現在の所属施設での経験が3年以上の看護スタッフ(看護婦・士、准看護婦・士)および介護スタッフ(介護福祉士など)が所属ナる施設に調査を体頼し、本人の同意と協力が得られた者を対象に行った。平成14年1月までに10名のの対象者の協力が得られ、面接聞き取り調査を実施している、面接内容は対象者の許可を得てテープレコーダーで録音し逐語を文章化し、現在老人看護学領域の専門家のスーパーバイズを受けながらデータ処理及び分析を行っている。
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