平成13年度中に人口規模・基幹産業の異なる2町の自治体11名の各保健師に半構成的面接聞き取り調査を行ない、内1町の自治体分については、日本保健医療社会学大会(東京)において結果報告を行なった。 平成14年度はさらに、上記の2町と同時期に同一の指導者の指導を受けながら事業展開を行なった別の1町の事業のまとめを行う際に支援した。 3自治体中、2自治体分については日本公衆衛生学会総会(埼玉)において、実際に「健康日本21市町村計画」事業として行なったことを第1報〜第3報に分けて、各自治体所属の町保健師自身も一緒に発表報告を行ない、第4報については筆者が研究者としての立場から2町の保健師の取り組みの成果について質的研究方法により、各保健師とのインタビューを逐語録に作成・分析を行ない得た結果について報告した。 実際の事業を指導者の指導を受けながら展開していくことを通して、保健師としての役割を自ら再認識していくプロセスにおいて、同一職場内の保健師同志をはじめ様々な影響を保健師自身が受けていること、それらを乗り越えていく上で適切な指導者が必要であること、保健師免許取得後の現任教育の重要性について明らかにできた。 次の課題としては、適切な指導者が国内全体でみても僅少であるという現実と適切な指導者の育成システムの必要性が残された。
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