平成13年度の研究目標は次の通りである。 (1)これまでに報告されている緩和ケアにおける倫理的問題や解決過程の特徴を検討にする。 (2)緩和ケアにおける倫理的問題について、ナラティブ・エシックスアプローチにもとづく、面接調査のガイドラインを作成する。 (1)については、緩和ケアを対象にした調査研究はわが国ではなされていないことがわかり、本研究において調査する必要性が生じた。そこで、既存の研究から倫理的問題を、看護者(医療者)と患者・家族関係、看護婦・医師関係、看護婦関係の3側面から捉え、緩和ケア施設に勤務する看護婦が直面する倫理的所状況と葛藤、問題解決方法について問う調査用紙を作成した。緩和ケア施設の看護婦100名に調査用紙を配布した。14年度には、収集したデータを分析し、全体的特徴を明らかにする計画である。 (2)については、3名の看護職に対する面接を行ない、ガイドラインを作成した。また、緩和ケアにおける倫理的問題としては、「積極的治療と緩和ケアのギアチェンジ」「セデーションをめぐる選択・決定の問題」が、患者・家族・医療者にとって非常に重要な課題であることが浮かび上がった。14年度は、本調査として上記の2テーマについて、面接調査を行なう予定である。
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