糖尿病の自己管理は、生活と密着している療養方法であるため食事場面や活動、ストレスマネージメントなど、家族と生活時間の調整や家族との相互関係に大きく影響を受けている。家族のあり様は糖尿病患者の自己管理や患者の自己管理への取り組み、気持ちに大きな影響を与えていることは臨床の場でもよく言われているが、実際に家族のどのようなあり様が患者の自己管理への取り組みにどう影響しているのかは、明らかにされていない。 今回、2型糖尿病患者とその同居家族が自己管理に取り組んでいるものとして視点を置き、自己管理行動、自己管理に関わる考え、心理的支えについて糖尿病患者の家族が患者の自己管理への担い方、参加にどのように存在しているかを明らかにしようとした。つまり、患者の自己管理に対する家族の「共に担う」「参加する」という存在の可能性の実証を試みた。 本年度は、面接を中心としたデータ収集を行った。この結果、患者が自分の管理を家族に期待する程度は、依存から無関心までの種類があり、その程度により家族の「協力に対する自己効力感」が異なっているのではないかとの仮説が立てられた。すなわち、患者が食事療法の主体を家族に頼り過ぎると家族が患者の役に立っている感覚が弱くなる傾向にあり、家族が患者の自己管理への考えを尊重している場合は、患者は気持ちが安定して自己管理が行える傾向にあることを見出した。 次年度に予定している調査項目を策定するに至った。
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