生後6ヶ月から1歳までの双子の両親で、夫婦のみで主に育児を行っている10組を対象者とし、母親と父親それぞれ個別に面接調査を行った。面接では、自分自身が育児をしていることについて感じること、パートナーが育児をしていることについて感じること、育児の分担について今後どのようにしていきたいかについて半構成的面接を行い、その逐語録をもとに、多胎児の両親の育児役割の認識について分析した。 その結果、母親が行っている育児について、母親自身は「育児に手をかけられないことの罪悪感」「育児の楽しみ」「育児に手をかけられないことの正当化」などを認識し、一方父親は「妻へのねぎらい」「妻の育児負担の実感」などを認識していた。また、父親が行っている育児について、父親自身は「当然の育児参加」「意欲」「育児負担の欠如」「子どものための育児参加」「単胎児との比較」などを認識し、母親は「当然の育児参加」「満足感」「感謝」「要求」「育児に参加てもらうことの罪悪感」「夫の無理解」などを認識していた。 夫婦双方の認識を比較してみると、妻に「感謝」されている父親は育児参加に「意欲」を持っていること、「単胎児との比較」を認識している父親に対し、その妻は「要求」や「夫の無理解」を認識していることが明らかになった。
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