看護者が、治療を受けたがん患者のコントロール感覚をどのように捉え、看護を提供しているかを明らかにするために、以下のことを行った。 まず、がん患者の体験に関する国内外の書籍、またがん看護に関する国内外の文献および平成11年〜12年にがん患者から収集したデータを基礎資料として、看護者が捉えるがん患者のコントロール感覚と提供している看護を明らかにするためのインタビューガイドを作成した。そして、がん看護の専門家3名に対して個別に半構成的な面接を行った。データの逐語録を作成し、看護者が捉えているがん患者のコントロール感覚、および提供している看護に関係する内容を抽出して分析を行った。 看護者はがん患者が自分らしく闘病できることが力を発揮できることにつながると捉えており、患者の自分らしさを理解するために、看護の基本的な技術を駆使していることが明らかになった。がん患者のコントロール感覚を支えるためには、日常的に行っている看護の意味を熟慮していくことの重要性が示唆された。次年度は、現在の分析をさらに進めながら、対象者数を20名程度まで増やして、がん患者のコントロール感覚を支える看護援助に関しての課題を明らかにしていくことを計画している。
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