研究概要 |
平成13年度は、看護者による慢性病者のセルフケア能力の他者評価指標(以下、他者評価指標とする)の原案を作成して洗練することに焦点をあてて、課題に取り組んだ。先に開発・改訂した慢性病者の自己評価指標である慢性病者のセルフケア能力を査定する質問紙(以下、自己評価指標とする)(本庄,2001)と、先の面接調査で得た看護者による他者評価指標の質的なデータ(本庄,2001)を比較検討し、他者評価指標の下位概念と質問項目を検討した。さらに国内外のセルフケア概念や質問紙開発に関連した文献の検討を行い、下位概念と質問項目をさらに検討した上で、他者評価指標の原案を作成した。熟達した看護者は、慢性病者のセルフケア能力を評価する時に、同時に、自分自身のケアを評価して振り返りを行っていることから、看護者による他者評価指標に看護者自身のケアを振り返る内容をどのように取り入れるかについては、慎重な検討が必要とされた。 平成13年12月には、保健医療行動に興味を持つ専門家が集まる研究会(日本保健医療行動科学会東京支部研究会)で、上記の他者評価指標の開発過程についてプレゼンテーションを行い、熟達した看護者と看護研究者を含む参加者とディスカッションを行った。その結果を踏まえ、さらに他者評価指標の内容妥当性を高めるために関連文献の検討を行い、原案を洗練した。そして、この他者評価指標の臨床での活用可能性と、その信頼性と妥当性を検討するために、看護者を対象とした調査を行う準備を進めている。
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