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2001 年度 実績報告書

旧東ドイツ所蔵資料を用いた19世紀末の熱輻射研究の方法に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13780003
研究種目

奨励研究(A)

研究機関東京工業高等専門学校

研究代表者

小長谷 大介  東京工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (70331999)

キーワード熱輻射論 / 電気力学 / 確率論 / 作用量子
研究概要

2001年7月25日〜8月25日のドイツ訪問時の調査概要及びその後の調査状況を以下に報告する。
ミュンヘンにあるドイツ博物館付属公文書館(7/30〜8/01訪問)では、Planckから他の科学者(H.Hertz, A.Sommerfeld等)への書簡を中心に複写した。注目したものは、1890年のHertzへの書簡(1890/07/06,1890/07/08付)である。Planckはその中で、Hertzの「静止物体に関する電気力学の基本方程式」を批判している。19世紀末Hertzによって整備された電気力学は、Planckの熱輻射論で基盤とかっており、当時期のPlanckの電気力学に関する見解を確認することは、熱輻射研究の初期段階を考えるうえで価値がある。当書簡への細かな分析は今後行う。
ベルリンにあるマックス・プランク協会付属歴史公文書館(8/3〜8/17訪問)では、旧東ドイツ所有のPlanck蔵書を調査した。今回は、約250冊ある蔵書のうち、熱輻射論に関係する彼の自著やH.Helmholtz、G.Kirchhoffらの著作等、61冊を対象にした。調査内容は、著作の外観および背表紙裏にある署名の撮影、著作中の書き込みの所在確認および複写であった。調査の際、注目した点は、G.Hagen著『Grundzuge der Wahrscheinlichkeitsrechnung』(1882)をPlanckが丹念に読んでいたことである。Planckの熱輻射研究とHagenの確率論との関係は、今後の分析対象にする。現在、調査した著作、書き込みのあった頁数等を一覧表でまとめ終えた段階であり、書き込み内容への分析は今後行う。
また、同歴史公文書館には、Planckに関わる書簡の複写も保管されており、PlanckとLorentzとの間で1898〜1909年に交わされた書簡を調査した。この時期、彼らの話題の中心は電子論に関する事柄であるが、末期には作用量子hにも言及する。Planckがどのように作用量子に触れていたか、今後さらに分析を行う。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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