平成13年度は基礎資料の収集と準備的な研究を行った。 1 基礎資料の収集 スポーツの紛争処理に関する基礎文献、スポーツ紛争に関するフランス破棄院判例、フランススポーツ関係図書、スポーツの紛争等に係わる関係和書、紛争処理制度に関する規則などを収集した。 2 準備的な研究 (1)フランスにおける訴訟事例の全体的傾向を明らかにした。そして、スポーツ訴訟の統計と分類、スポーツ責任訴訟の管轄裁判所と判例の年次推移、スポーツ種目別の判例の統計、契約責任訴訟の傾向を明らかにし雑誌に投稿した。 (2)フランスの紛争処理制度 フランスの紛争処理制度がスポーツ基本法に規定され、関連する判例および審議を経ながら制度の基本が形成された過程を明らかにした。特に、(1)国内統轄団体によるスポーツの紛争処理に関する歴史的傾向、(2)1975年のスポーツ基本法の仲裁規定、(3)1984年のモルトー事件コンセイユ・デタ判決、(4)スポーツ仲裁に関する学説の検討、(5)1981年のラ・ロシェル・レガッタ事件ボワチエ控訴院判決、(6)1984年のスポーツ基本法関連条文の審議過程、(7)1992年のスポーツ調停に関するスポーツ基本法の改正について明らかにした。 3 研究成果の公表 「フランスにおけるスポーツの紛争処理制度の形成」と題して、平成13年8月24日の筑波大学体育行財政研究会、および、平成13年12月15日の日本スポーツ法学会第9回大会にて発表した。発表内容は、平成14年発行のスポーツ法学会年報第9号に掲載される予定である。
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