研究概要 |
本年度は,コーチング支援を目的として,ハンドボールやバスケットの試合中のビデオを処理することによって,試合中における選手個人の身体機能を計測する方法について検討した.具体的には,本年度の成果は次の2点にまとめることができる. 1.コート平面上における選手位置の算出 試合を撮影したビデオ映像列からそれぞれの選手の映像上での位置をポインティングし,その位置を座標変換することによって選手のコート上の位置を求めた.座標変換では,2次元DLT法を利用し,映像内に映っている距離が既知のコート上の4点からビデオカメラのカメラパラメータを求め,得られたカメラパラメータから選手のコート平面上の位置を算出した.また,ミーティングへ活用するため,算出した選手やボールの位置をコンピュータ上でアニメーションとして表示するソフトウェアの開発を行った. 2.試合中における選手の身体機能の計測方法の検討 試合中における選手の動きを求め,その動きから選手個人の身体機能を計測する方法について検討した.選手の動きは,移動速度として(1)で得られたコート平面上の位置の変位と撮影したビデオカメラのフレームレートから算出した.算出した移動速度の時間的変化から選手の持久力の評価を行った.本手法で求めた評価を全力ペダリング運動による評価と比較した結果,ほぼ同様の評価が得られた.
|