研究概要 |
本研究の目的は,実験動物を用いて,運動により神経栄養因子とその受容体の発現がタンパク質レベルで変化するかどうかを脳,脊髄及び骨格筋で経時的に確認することにあった. Wistar系雄性ラット(250g〜300g)に,トレッドミルによる1週間のランニング学習を施した後,乳酸性作業閾値のスピードで一過性のランニング運動を約60分間行わせた.ランニング終了後,経時的に脳,脊髄及び骨格筋を摘出し,ホモジナイザーにより試薬とともに破砕・混合し,遠心分離後,摘出組織の試料調整を行った.調整した試料を電気泳動した後,トランスファーボックス内でブロッティングフィルターに転写させた.フィルターに神経栄養因子(BDNF, NT-4)とその受容体(Trk B)の抗体を滴下し,染色反応により可視化した. その結果,一過性のランニング運動直後は,BDNF, NT-4,Trk Bともに,運動前よりも一時的に発現が低下する傾向にあり,その後,運動前のレベルに回復することがわかった.
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