幼稚園保育者との会合を重ねる中で、幼稚園入園とともに抱える母親の実質的な子育て負担が減少する面と、精神的な面で新たに負担が増加する面とがあることがわかった。子どもといる時間が少なくなるとともに、母親の拘束感が減少する。一方で、子どもが幼稚園という新たな社会に属するようになることで生じる子どもの友達関係、それに伴う保護者間の軋礫などの精神的な負担感が増加する。保育者との話し合いで、どのように介入していくべきなのかが探られた。また、子ども自身は、幼稚園になれるとともに、それまでの知り合いの枠を越えて、新たな人間関係を模索しはじめるようになる。当然ぶつかり合いも見られるようになるが、そうした様々な相互交渉を経て、関係を深めていくことがわかった。 母親を取り巻くサポートによっても、母親の負担感は変わってくる。一番のサポートは夫であるようだが、新たな場での母親同士の友達関係が円滑に行けば、母親をサポートするものとして母親にとって重要な資源になることが伺える。
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