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2001 年度 実績報告書

ゴマ摂取による体内アスコルビン酸濃度の調節とその機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13780089
研究種目

奨励研究(A)

研究機関椙山女学園大学

研究代表者

池田 彩子  椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (80308808)

キーワードゴマ / セサミン / アスコルビン酸 / グルタチオン / トコフェロール / ラット
研究概要

本研究は、ゴマ摂取ラットの体内アスコルビン酸(ビタミンC)濃度上昇作用を明らかにすることを目的とした。今年度は、(1)ゴマ摂取時に体内のどの臓器でアスコルビン酸濃度が上昇するのか、(2)ゴマ摂取によるアスコルビン酸濃度の上昇作用がゴマに含まれるリグナンの作用であるか、の2点を明らかにするために以下の実験を行った。
4週齢のWistar系雄ラットにコントロール飼料(対照群)、ゴマ添加(200g/kg飼料)飼料(ゴマ群)、および主要なゴマリグナンであるセサミン添加(2g/kg飼料)飼料(セサミン群)を4週間摂取させ、主要な臓器および血中のアスコルビン酸濃度と24時間のアスコルビン酸尿中排泄量をジニトロフェニルヒドラジン法で測定した。また、アスコルビン酸と同様体内の主要な抗酸化物質であるビタミンEおよびグルタチオンの臓器中濃度についても、それぞれHPLC法と市販のキットにより測定した。
肝臓、腎臓、血清中のアスコルビン酸濃度は、対照群に比べてゴマ群およびセサミン群で有意に上昇し、アスコルビン酸の尿中排泄量も、対照群に比べてゴマ群およびセサミン群で有意に上昇していた。一方、小腸、副腎、脾臓、胸腺、心臓、肺および脳中のアスコルビン酸濃度は、群間に明らかな差は観察されなかった。また、肝臓中のグルタチオン濃度は、対照群に比べてゴマ群で上昇した。さらに、今回測定したすべての臓器や組織および血中のγ-トコフェロール濃度は、対照群に比べてセサミン群およびゴマ群で著しく上昇していた。
以上の結果から、ゴマ摂取時には、肝臓、腎臓および血中のアスコルビン酸濃度が上昇することが明らかになった。この結果から、ゴマは主要な抗酸化物質であるアスコルビン酸やトコフェロールの濃度を上昇させることにより、体内で抗酸化力を発揮することが推察された。また、このゴマの作用は、ゴマ中に含まれるリグナン物質の作用であることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ikeda, S., Toyoshima, K., Yamashita, K.: "Dietary sesame seeds elevate α-and γ-tocotrienol concentrations in skin and adipose tissue of rats fed the tocotrienol-rich fraction extracted from palm oil"Journal of Nutrition. 131. 2892-2897 (2001)

  • [文献書誌] Ikeda, S., Tohyama, T., Yamashita, K: "Dietary sesame seeds and its lignans inhibit 2,7,8-trimethyl-2(2'-carboxy-ethyl)-6-hvdroxychroman excretion into urine of rats fed γ-tocopherol"Journal of Nutrition. 132(Accepted). (2002)

  • [文献書誌] 池田彩子, 太田貴子, 安本(白戸)知子, 山下かなへ: "ゴマ摂取が体内トコフェロール濃度に及ぼす影響 -ラットとマウスの比較-"日本家政学会誌. 52(Accepted). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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