研究概要 |
教員養成系学部学生を対象とした物理学実験教材の開発を行なった。教員養成系学部学生の中には高等学校で物理を履修していない学生や物理嫌いの学生も少なくない。これは理科教員養成の危機的な状況といえる。小・中学生の物理離れを減少させるためには、まず教員を目指す学生達の物理離れを減らすことが重要である。そのため、学生が興味をもって物理学実験を行えるように,電磁音叉および交流の周波数を求める「メルデの実験」のインターネット教材を作成した。また,学生の物理学実験に対する意識を知るために,アンケート調査を行なった。 「メルデの実験」では実験装置の作動原理がわからないという学生が多い。そのため,まず電磁音叉が振動する原理を動画を用いて解説した。そして糸の長さを調節すれば、その固有振動数と電磁音叉の振動数が共鳴した時に定常波が生じることを動画を用いて解説した。同様に交流の周波数と銅線の固有振動数が共鳴した時に定常波が生じることを解説した。また,物理実験を身近に感じるように「メルデの実験」と日常生活を関連させて,吊橋(アメリカのタコマ橋)と風の渦が共鳴し大きく振動したため,崩壊してしまった事故例などを挙げている。現在は橋が崩壊しないようにどのように設計されているのか,橋の種類や橋にかかる力など,その特徴を紹介している。
|