平成13年度の研究成果は主として以下の3つの内容にまとめることができる。 1.マルチメディア芸術の授業モデルの開発 マルチメディア芸術はマルチメディアを活用した芸術表現であり、音声と画像を融合した表現である。このような活動を平成14年度から完全実施される「総合的な学習の時間」に位置付けていくことができる。音楽や美術の基礎技能、コンピュータ操作の基礎知識が必要となることから、当面は音楽科・美術科・情報教育の担当教諭が連携し授業を構成していくことが望ましい。 2.マルチメディア芸術に有効なソフトウェアの検討 学校教育現場で子どもたちが扱いやすいミュージックソフトウェアおよびグラフィックソフトウェアの検討を行った。小学校では操作が容易なミュージックおよびグラフィック等の機能が統合されている教育用ソフトウェアを活用することが望ましい。動画編集ソフトは操作が容易とはいえないため現段階では小・中学校の一般の授業に組み込んでいくことは難しい。 3.小学校における事例研究 小学校5年生の児童を対象として教育用統合ソフト「ハイパーキューブネット」を活用した授業研究を行った。最初に絵を描き、それにふさわしい音楽を作曲するという授業を行った。絵を描くことによりイメージが鮮明となり、音楽的にもレベルの高い曲を完成させる児童が多かった。教室内のネットワークで作品を公開することができるため、友達の作品を自由に鑑賞することができることも成果となった。今後もこのような事例研究を積み重ねることにより、マルチメディア芸術表現の授業モデルを構築していきたい。
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