研究概要 |
本研究の目的は,インターネットを利用して,学習者がいつでもどこででも非同期に参加できる講義・教室型の学習環境として,非同期型バーチャルクラスルームを研究開発することである.この学習環境は,リアルタイム型のバーチャルクラスルームがもつ臨場感や学習者間の双方向インタラクションという特徴と,WWWを利用した個別型学習環境がもつ時間的・地理的な制約のない自由な利用形態という特徴を,合わせもつ.これにより,いっでもどこからでも,自分の興味のある授業を仮想的なクラスルームで擬似的なクラスメートと一緒に受講することが可能となり,他のクラスメートや教師と質疑応答したり,協同で問題を解決をしながら,学習を進めることができる.具体的には,本学習環境での授業は,教師が予め準備したビデオ映像で行われる.ユーザが授業を受ける仮想的な教室は,同時に授業に参加している他の学習者だけでなく,擬人化された学習者エージェントにより構成される.擬似学習者エージェントは,過去に参加した学習者の発言などの学習行動を模倣するもの,教師の代わりとして教育的な行動をとるもの,よく問いかけを行うもの,などからなる. 本年度は,大きく分けて,以下の2つの課題に取り組んだ. (1)非同期バーチャルクラスルームのフレームワークの提案 (ビデオオンデマンド教材の提示手法や個人適応手法の提案とエージェントを用いた協調学習支援の提案) (2)擬似学習者エージェントのモデル化 (学習者モデル,知識獲得,対話モデル,マルチエージェント環境などの提案)
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