研究概要 |
1小学校の教師2名と中学校の国語科教師2名に対し,説明的文章の読みの学力観および授業観について,インタビュー調査を行った。その結果,次のような傾向が示唆された。共通点として,国語学力がどのようなものであるかということについて,明確な意識・理論を持っていない場合,学習者に対して国語学力について説明することが学年のはじまりなど極めて稀であるのに対し,はっきりと持っている場合,単元ごとやある具体的な学習活動を行わせるごとにどのような学力を身につけるためにその学習活動を行うのかを意味づけるような説明を行うということがうかがわれた。相違点として,小学校の教師は,説明的文章の読みの学力と書くことの学力とを関わらせてとらえようとするのに対し,中学校の教師は,独自の領域としてとらえる傾向がうかがわれた。小学校の教師は,総合学習が行われるに当たって,国語の学力の汎用性を考えるようになっている。 2小学校教師1名の説明的文章の読みの授業,2単元について,単元を通して授業観察(合計24時間)を行うとともに,授業者に対しインタビュー調査を行った。現在,そのデータ処理と考察を行っているところであるが,教師の持つ学力観と教材解釈,実際の授業との間に密接な関わりがうかがえる。
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