日本において環境教育課程を有する、東京学芸大学、滋賀大学、愛知教育大学、福岡教育大学などの約20の環境教育教員養成課程の教務課に対して、学校案内、シラバス等のカリキュラム内容がわかる文書等の送付を依頼するとともに、実際に環境教育課程を担当している教員から、環境教育課程の実情などを聞き取り調査した。 そして、収集したシラバスやカリキュラム、学校案内等から、現在環境教育課程で開講されている開講科目名を詳細に分類するとともに、カリキュラムの比較検討を行った。その結果をひとまずとりまとめ、日本環境教育学会で報告するとともに、環境教育担当教員養成カリキュラムにおける教育内容を検討しているところである。 他方、現時点では、現職教員の研修に必要な要素を抽出するために、各都道府県の教育委員会等で行われている環境教育の研修の内容なども参考にしながら、環境教育担当教員の養成にかかわるカリキュラムの開発に取り組んでいる。 さらに、環境思想的、環境学的、教育学的、教育哲学的なアプローチで、環境教育の理念・定義・歴史・方法・評価などに関する研究を、主として文献により研究する。環境教育指導者として必要な資質の理論的根拠を、様々な文献による先行研究を検討することによって模索している。 今年は環境問題を解決するための方策として執筆された「環境絵本」の分析を通して、環境教育の哲学の基礎理論となるような内容の教育現象学的研究を行った。
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