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2002 年度 実績報告書

ある遺伝性疾患と遺伝因子の関連解析のための分割表解析によるアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 13780171
研究機関東京大学

研究代表者

青木 敏  東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (90332618)

キーワード分割表 / 正確検定 / ネットワーク・アルゴリズム / マルコフ連鎖・モンテカルロ法 / CAリピート / Handy-Weinberg / グレブナ基底 / 交互作用
研究概要

1.明星大学の広津千尋教授,国立精神保健研究所の稲田俊哉氏,北尾淑恵氏らとの共同研究により,染色体上のいくつかのマーカーで測定された患者と健常者のCAリピート頻度分布の違いから,遺伝性疾患に関連する遺伝子座位を特定する,という研究を進めてきた。特に,疾患の関連遺伝子を絞りこんだ後に,その近傍の複数のマーカーにおけるCAリピート同時頻度分布が得られている場合には,それらを総合的に解析する手法(haplotype analysis)が必要となるが,本研究では、3因子交互作用を無視した従来の手法の問題点を指摘し,新たにいくつかの対立仮説を想定し,それに応じた検定統計量と,その分布の計算アルゴリズムを提案した。
2.分割表解析の手法として代表的なフイッシャー正確検定法に対して,そのアルゴリズムの改良法を提案した。提案する方法は,解析対象となるデータに偏りがある場合にも,従来のものより効率的な計算を可能とするものである。さらに,このアルゴリズムを,遺伝データ解析におけるHardy-Weinberg平衡仮説の検定問題に適用し,従来法よりもはるかに効率的に検定が行なえることを示した。
3.マルコフ連鎖・モンテカルロ(MCMC)法による高次元の分割表の解析手法の研究を行なった。MCMC法を構成するためには,既約なマルコフ連鎖を構成するための基底の導出が必要であるが,本研究では,従来法の問題点を指摘し,それに代わる計算方法の提案を行なった。提案する方法によって,従来法よりも効率的に極小基底を求めることが可能となり,特に,3元分割表などのいくつかの例に対して,一意極小基底の具体形を求め,その性質を解明した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Aoki, A.Takemura: "Minimal basis for connected Markov chain over 3x3xK contingency tables with fixed two-dimensional marginals"Australian and New Zealand Journal of Statistics.

  • [文献書誌] S.Aoki: "Improving path trimming in a network algorithm for Fisher's exact test in two-way contingency tables"Journal of Statistical Computation and Simulation. 72. 205-216 (2002)

  • [文献書誌] C.Hirotsu, S.Aoki, T.Inada, Y.Kitao: "An exact test for the association between the disease and alleles at highly polymorphic loci"Biometrics. 57. 148-157 (2001)

  • [文献書誌] S.Aoki, A.Takemura: "Markov chain Monte Carlo exact tests for incomplete two-way contingency tables"METR Technical Report. 2002-08. (2002)

  • [文献書誌] A.Takemura, S.Aoki: "Some characterizations of minimal Markov basis for sampling from discrete conditional distributions"METR Technical Report. 2002-04. (2002)

  • [文献書誌] S.Aoki: "Network algorithm for the exact test of Hardy-Weinberg proportion for multiple alleles"METR Technical Report. 2001-06. (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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