研究概要 |
1.釣合い型2部ブロック計画(balanced bipartite design)の存在問題については,ブロックサイズが3のものに関し,グループ内会合数によって場合分けし,証明を進めている途中であり,次年度以降も引き続き行っていく. 2.関連計画の工学的応用として,スペクトラム拡散通信における周波数ホッピング系列(frequency hopping sequence)にデザイン理論を応用することの有効性,及び既存の方法によりホッピング系列を構成した場合との比較を考察した.デザインを利用した周波数ホッピング系列の構成法を示した成果は現在投稿中.今年度は,シングル系列の場合に主眼を置き,分解タイプの差詰集合族(partition type difference packing)との関係,及び分解可能デザイン(resolvable design)との関係を明らかにした. 3.工学的応用では分解可能という性質が非常に有効であるが,分解可能デザインの関連計画として,1-rotationally resolvable 4-cycle systemの存在について,必要十分条件を明らかにした.特に,有限体や射影幾何を用いた既存の構成法では証明ができなかったパラメータについても,extended Skolem sequenceと呼ばれる整数列を利用するという新たなアイデアを用いて存在を示し,その成果は,すでにJournal of Combinatorial Designsに掲載が決定している.
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