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2001 年度 実績報告書

衛星レーダー受信波に含まれる地表面反射率のウェーブレットを用いた推定

研究課題

研究課題/領域番号 13780180
研究種目

奨励研究(A)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

加藤 剛  慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (40267399)

キーワード合成開口レーダー / ウェーブレット
研究概要

平成13年度の研究計画は,ウェーブレットを利用して地表面反射率を推定する方法の理論を構築することであった.理論の構築にあたっては,解析対象の地表画像撮影用レーダーの受信波を数学的にしっかりとモデル化する必要がある.この問題については,本研究とは別途に他の研究者と共同研究を進め,平成13年度前半中にほぼ完成することができた.
衛星レーダーから地表画像を得るために必要な情報は,地表面反射率の変化である.そして,衛星の送信波x(t)に確率的に変動する雑音z(t)が混入した衛星レーダーの受信波y(t)=x(t)+z(t)のウェーブレット変換から地表面反射率の変化を抽出する方法の要点は,x(t)の変化点を含むtの範囲から求められるウェーブレット係数が,含まない場合のx(t)のウェーブレット係数と雑音z(t)から求められるウェーブレット係数の双方より相対的に大きくできるようにするところにある.
交付申請書の研究実施計画に記したように,市場金利の変動の時系列データから変化点とその点における変化量を推定する問題をウェーブレットで処理した論文がすでに知られている.また,文献調査の結果,本研究の参考となる論文として,確率的に変動する誤差を含んだ非線形回帰関数の推定問題をウェーブレット解析で扱ったものが見つかった.しかし,これらの論文では,確率的に変動する誤差には,すべて定常性が仮定されていた.本研究では,定常性のないBrown運動を仮定したい.
研究の結果,Brown運動を含む一般的なfractional Brown運動を確率的に変動する誤差にとっても,変換に用いるウェーブレット関数と変換に付随する尺度母数を適切に選べば,ウェーブレット変換によって地表面反射率の変化を抽出する方法の要点を満たすようにできることがわかった.また,数式処理ソフトウェアMathematicaを使った実験でも,モデル化した受信波にもとづいたウェーブレット変換による地表面反射率の抽出可能性について,肯定的な見当を得ることができた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 加藤剛, 柴田里程: "ウェーブレットと統計解析"日本統計学会チュートリアルセミナー第9回. 1-39 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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