研究概要 |
平成13年度では、ベクトル量子化によるボリュームデータ圧縮の基本アルゴリズムを開発、評価した。開発した圧縮アルゴリズムは、まず、ボリュームデータを分割することにより得られたブロックに対し、離散コサイン変換(DCT)を施す。次にブロック内DCT係数群を1つのベクトルとして扱い、ブロックの集合に対しコードブックを生成する。最後に、このコードブックを用いて、ブロック集合のベクトル量子化を行なう。本研究では、ベクトル量子化による圧縮を行なう場合でも、DCTによる周波数領域への変換によりデータの劣化を抑えた圧縮が可能であることを確認した。また、直流成分のように、データの重要な特徴を表している係数に対してベクトル量子化の度合を低くすることにより、主観的に劣化の少ない圧縮を実現できることが分かった。さらに、高速なコードブック生成アルゴリズムであるLOJアルゴリズムを適応することにより、非常に多数のベクトルを扱うボリュームのベクトル量子化においても、他の手法と比べて比較的短い処理時間で圧縮が行なえることを確認した。 現在、提案アルゴリズムの詳細な性能評価に向けて,スカラー量子化によるボリューム圧縮手法との比較を準備中である。このため、ベクトル量子化データのエントロピー符号化処理を研究開発中である。また、次年度における研究展開へ向けて、ベクトル量子化アルゴリズムの並列化、及び、PCクラスタの構築に着手した。
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