平成13年度は、主に資源予約を用いるジョブスケジューリング方式に関する検討を行うとともに、ジョブスケジューリングアルゴリズムのシミュレーションによる性能評価を行った。 ジョブスケジューリング方式の検討では、資源予約を行うジョブ(予約ジョブ)と資源予約を行わないジョブ(通常ジョブ)のプロセッサへのスケジューリングアルゴリズムを定義した。また両者のジョブの優先度および実行中断の可否等から、ジョブスケジューリングアルゴリズムの運用方式を分類した。 シミュレーションによる性能評価では、まず各々のジョブスケジューリングアルゴリズムを評価するためのシミュレーションモデルを構築し、本モデルに基づくシミュレーションソフトウェア(シミュレータ)を開発した。 また、予約ジョブおよび通常ジョブから構成されるジョブのワークロードモデルを構築した。次に本シミュレータおよびワークロードモデルを用い、平成13年度に購入した計算機上でシミュレーションを行うことにより、資源予約を用いたジョブスケジューリングアルゴリズムの性能を評価した。また、ジョブが資源予約を行う場合には、予約を行わないジョブの実行開始時刻が延期されることによりその応答時間が増大する可能性があるが、本シミュレーションでは資源予約により通常ジョブが受ける性能低下に関する評価も合わせて行った。本評価の結果、単純な到着順によるジョブスケジューリングアルゴリズムでは、予約ジョブの実行性能が低下するだけでなく、予約ジョブの影響により通常ジョブの性能が著しく低下することがわかり、Backfillingといったより高度なジョブスケジューリングアルゴリズムを用いる必要があることが確認された。
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