平成13年度においては、次のような事項にっいて研究を推進した。 《関数型言語処理系におけるデバッグ作業の調査研究》 関数型言語処理系において発生するデバッグ作業の調査・分類をおこ有い、型推論機構において、どのような改善が必要となるのかを分析した。 《型推論アルゴリズムのエラー時の挙動の分析》 プログラミング言語MLにおける型推論アルゴリズムW(下降型)やM(上昇型)について、それらのエラー発生時における挙動について理論的分析をおこなった。それと同時に、Haskell、OCaml、Standard ML of New Jersey、Moscow MLなど、関数型言語処理系において実装されている型推論においても、その挙動を分析し、プログラミングにおけるデバッグ作業との適合性について検討を行った。 《デバッグ作業を支援するための型推論の開発》 上述の調査・分析によって得られた知見を基にして、デバッグ作業を支援するための型推論アルゴリズムを開発した。そして、そのための型システムについての改良についても、必要に応じて検討をおこなった。最初に、単純型システムに対する型推論アルゴリズムの開発に取り組み、次に、多相型システムに対するものの開発に取り組んだ。
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