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2001 年度 実績報告書

超並列計算機上での生体分子の分子動力学法シミュレーションにおける動的負荷分散法

研究課題

研究課題/領域番号 13780215
研究種目

奨励研究(A)

研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

林 亮子  北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (30303332)

キーワード分子動力学法 / 並列化手法 / 生体分子 / 高性能計算 / 領域分割法
研究概要

今年度は、空間中での原子・分子の分布が希薄かつ不均一な状態での高速実装法について研究を行った。分子動力学法の高速化のため、空間を細かく分割して近傍の分子の影響と遠距離の分子の影響を分けて扱う手法が良く用いられるが、空間中での分子の分布が希薄な状態および不均一な状態では、計算負荷の不均衡に加えて最適な分割法を一意に定めることが困難である。これは、本課題で扱う生体分子のシミュレーションでも起こることである。今回は短距離相互作用の働くカーボンクラスターのシミュレーションプログラムでこの問題を検討した。これまでは、分割した小空間(セル)の数だけ繰り返しのある実装法であったため、セルの大きさやセルの数が実行時間に大きく影響した。これを、セルを使用しつつ、各プロセッサ要素が担当する分子の数だけ繰り返しのある実装法にすることで、セルの大きさおよびセルの数への実行時間の依存性を小さくすることを目的とした。性能評価の結果、セルの空間中での分子の分布が希薄かつ不均一な状態において、セルの大きさおよび数が実行時間におよぼす影響を軽減することができた。このことから、相互作用の影響範囲を考慮して、最適なセルの大きさを評価できるものと期待している。さらに、本課題が目的とする生体分子のようなクーロン相互作用の働く分子に対しても、空間を分割して遠距離の分子の影響を近似する計算手法に適用できるものと期待している。
さらに今年度は、研究目的に利用するという条件で無料配付されている既存の生体分子プログラムを、本研究で利用する並列計算機環境に移植した。実行時間の詳細な検討はこれからであるが、このプログラムは完全には並列化されていないため、今後は並列化効率に対する影響の大きな部分の並列化および高速化を検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] R.Hayashi, Y.Hiwatari, S.Horiguchi: "Parallelization of a Molecular Dynamics Simulation for Carbon Cluster Formation Process"Proceedings of HPC Asia 2001. 1-7 (2001)

  • [文献書誌] 林 亮子, 堀口 進: "並列計算機上での生体分子の分子動力学法シミュレーションの性能評価"北陸先端科学技術大学院大学附属図書館所蔵 情報科学研究科リサーチレポート. IS-PR-2002-003. 1-10 (2002)

  • [文献書誌] 林 亮子, 樋渡 保秋, 堀口 進: "希薄系における短距離分子動力学法シミュレーションの実装手法"情報処理学会研究報告2002-HPC-90に発表予定. (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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