研究概要 |
本年度は,動的にネットワーク構成の変更が可能なReconfigurable Mesh(RM)及びMesh with Separable Buses(MSB),動的にネットワーク構成の変更ができないMesh with Partitioned Buses(MPB)及びMesh with Multiple Partitioned Buses(MMPB)の,4つの並列計算モデルを対象とした研究を行った. RMは,基本ネットワークトポロジは格子状であるが,各格子点においてネットワークの接続状況を動的に変化させることができるため,MSB, MPB, MMPBよりもネットワーク変更自由度が高いモデルである.MSB, MPB, MMPBは,各行各列にブロードキャストバスが付加されたメッシュ結合型並列計算モデルである.MSBに配置されるバスは,プログラムの実行中に長さの異なる幾つかのセグメントに動的に分割可能である.MPB及びMMPBに配置されるバスは,あらかじめ決められた区間で静的に分断されている.MSB及びMPBでは各行各列に1本づつバスが付加されるが,MMPBでは各行各列にはL本づつバスが付加される(L>1). 具体的には,次の2つを示した:1)n^2個のプロセッサから成るMSBの任意の1命令を,m^2個のプロセッサを用いて模倣する場合(m<n),m≦n^{3/4}の範囲であればMSBとMPBのどちらを用いても同等の性能が得られ,m≦n^{1/(1+0.5/L)}の範囲であればMSBとMMPBのどちらを用いても同等の性能が得られる,2)n^2個のプロセッサから成るRMの任意の1命令を,より少ないm^2個のプロセッサから成るMPBを用いて効率よく模倣することが可能である.なお,1)の結果は理論的に最適な結果であることも示した.
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