研究概要 |
平成13年度は次の1,2に従って,研究を行った. 1.Use Case Mapsによるサービス要求のモデル化とシミュレーション 要求レベルでのサービス競合を厳密に解析するには,自然言語で記述された要求文書をなんらかの記述法で表すことが有効である.本研究ではまず要求文書をUse Case Maps(UCMs)という記述法に基づいてモデル化を行った.具体的には,国際会議FIW2000で開催された,サービス競合検出コンテストのサービス仕様を,UCM NavigatorというUCMsのモデリングツールを用いてモデリングを行った.また,UCM Navigator上でサービスの要求をシミュレーションによって解析した. 2.UCMsに基づいた競合フィルタリング法の設計と実装 次に,要求レベルでのサービス競合を,UCMs上のサービスシナリオに基づいて定式化し,これをフィルタリング条件と定義した.具体的には,次の2つのヒューリステイックにより競合を性質づけた. (a)2つのサービスが同時に起動されるシナリオで競合が起こりがちである. (b)1つのサービスがもう1つのサービスをバイパスするシナリオで競合が起こりがちである. このヒューリスティックを,UCMs上のシナリオパス上の条件に定式化し,競合フィルタリング法を設計,実装した.さらに,競合が発生しがちなシナリオを導出するための手順も開発した.この結果をまとめて,国際会議WORDS2002に投稿し,受理された.会議は2002年1月,アメリカ・サンディエゴで行われ,口頭発表を行った.
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