平成13年度は、おもにSWFファイル形式(Macromedia Flash^<TM>が使用する形式)を出力するためのライブラリの拡張と整備を行った。SWF形式はベクトルグラフィックス及びアニメーションフォーマットのWeb上のデファクトの標準である。プログラミング言語としては、関数型言語の一種であるObjective Camlを使用した。関数型言語の特徴である高階関数がアニメーションの記述に有効であること、Javaなどのオブジェクト指向言語よりも簡潔な記述が可能であることを確認できた。SWFに関するライブラリの中でも、ボタンなどのオブジェクトをレイアウトするための部分、テキストを整形するための部分などを特に重点的に整備した。また、既存のSWFファィルを読み込むためのライブラリや、プログラムをCGIとして動作させるためのインターフェース部分のライブラリも作成した。 実際に、コンパイラに関する学部の講義で、このライブラリで作成したアニメーションをBNFや解析木の説明に使用した。また、通常PowerPointやTeXで作成する研究発表のプレゼンテーションの作成に実際に役立つことを確認することができた。 今後、このライブラリを利用するための初心者にも理解しやすいスクリプト言語を設計する予定であるが、そのスクリプト言語の作成の準備として、多相ヴァリアントという仕組みに関する型システムの研究を行った。また、SWF形式以外に今後、Webの標準となると考えられているSVG形式をサポートする予定であるが、このSVG形式についても調査を行い、簡単なプログラムを作成した。
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