平成14年度は、前年度に作成したMLSwfライブラリ(関数型言語Objective Caml上に実装されたSWF形式-Macromedia Flash^<TM>が使用するアニメーションのためのデータ形式-を出力するためのライブラリ)を拡張し、テキスト整形ソフトウェアTeXの出力形式であるDVI形式からSWF形式に変換するためのライブラリを作成した。このライブラリは文字だけではなく、tpicなどのスペシャル命令にも対応しており、グラフや木などの図形もSWF形式に変換することができる。また、ActiveDVIというTeXを用いるプレゼンテーションソフトのspecial命令を解釈し、ページのスライドイン・ワイプなどの簡単なアニメーション効果を生成できる。これにより、複雑な文字・図形のレイアウトを持つ教材を以前よりも格段に簡単に作成できるようになった。 このライブラリで作成したアニメーションは言語処理系の授業や自主セミナーなどで、構文解析や字句解析などの説明(例えばオートマトンの動作)に実際に使用した。これを利用した何人かの学生からは、自習時に理解の助けになったという意見が寄せられた。 また現在、型推論のエラーメッセージなどの結果をプログラマにわかりやすく説明するための可視化プログラムを作成しており、本研究で作成したライブラリを用いている。 また本ライブラリをObjective Caml以外にJavaScript風の言語から呼び出せるようにすることを検討しているが、そのためにShrinkable VariantとDynamic Inheritanceという概念を提唱した。現在、これらの概念の実装方法を検討している。
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