研究概要 |
本年度は,以下のことを行った. ●自然言語処理を利用した日本語の情報検索システムの開発と評価 電子メールでの自動応答システムの中で重要な機能の一つに,送られてきた質問に対して適切な回答を探す機能があげられる.質問は,キーワードの列ではなく,一般の自然言語文で与えられるため,言語処理技術の利用が重要となる.本システムで用いている技術は,形態素解析や,構文解析,シソーラスを用いた意味解析,照応解析などの言語処理技術を,既存の情報検索技術と融合させたものである.日本語の情報検索システム評価用テストコレクションBMIR-J2を用いて評価し,その有用性を確かめた. ●Web情報のマイニングと,マイニング情報の管理システムの開発と評価 電子メールで寄せられる質問の回答の中には,Webで調べられる物が少なくない.そのために,Web情報のマイニング機能は,本研究のシステムにとっても重要である.本研究では,その一貫として,ある分野のページの中から,特定の用語を抽出し,その用語を知識ベースに入れて管理するシステムと,その用語間の関連性を調べるシステムの開発とを行った.今回対象としたのは,国際会議の論文募集関連のファイルであり,そのファイルの収集と,そのファイルから会議名や日付,論文締め切り日,トピック,URLなどを抽出し,トピック間の関係を求めた. また,本システムの各機能を,独立した知的ソフトウェアモジュールとするためのマルチエージェントシステムの研究についても行った.
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