研究概要 |
平成13年度は,次の2つの基礎的な研究を行い,以下の結果を得た. 課題1:セルオートマトン(CA)の遷移規則学習アルゴリズムの構築および性能評価 課題2:セルオートマトンモデルの設計環境である,CA専用インタプリタの開発 課題1の成果: CAの遷移規則学習のテスト問題として『密度分類タスク』がある.この問題に対して,機械学習の一アプローチである進化計算が用いられてきたが,単純GAでは,ハンドコーディングルールであるGKLルールの精度を越えることができなかった.本研究では,進化計算アルゴリズムに共進化の概念と,進化の同調の概念を導入することによりGKLルールの分類精度を大幅に越えるCAルールの獲得に成功した. 課題2の成果: CAシミュレーションのモデル設計は,現実の現象を再現するCA遷移規則を如何に効率的に構成するかが重要である.多くのCAモデル研究者は,試行錯誤的にこの作業を行っている.この作業を支援するための計算環境として,CA専用のインタプリタが有効である.インタプリタのメリットは,ルール変更によるモデルの変化が即時的・視覚的に確認され,この結果がルールの洗練に直ちに反映できる点にある.本研究では,C言語ライクな言語仕様,構文上の誤りチェック,視覚化ツール等の特徴を備えたCAインタプリタの試作を行った.
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