研究概要 |
本研究では,火山噴火現象による地磁気の変化から噴火直前と地磁気の関係をファジィシステム(ニューラルネットワーク)によりモデリングを行う.モデリングにさいして,入力データの獲得や入力変数の特定を行う必要がある.現在,地磁気の変化は時系列データとして記録されており,噴火直前,直後の特定時刻においての高速フーリエ変換により特定周波数スペクトルの時間的変化として扱うことができる.出力変数としては,火山噴火までの時間や噴火の規模(振動計,地震計)などが考えられる.本研究の目的は,これらの要因から噴火予測のシステム,また,火山噴火のモデリングを行うことにある. 1年目の実績として,火山活動から得られている電磁場変化データを高速フーリエ変換を用いてパワースペクトルの変化に変換した.その結果から,火山活動の前後において,磁場のパワースペクトルには特徴的な変化は見られなかったが,電場のパワースペクトルにはわずかながら変化が現れることが判明した.電場のパワースペクトルでは,0.01〜0.1Hzの帯域で変化が顕著であった.今回の測定では,10^<-9>のオーダーのフラックスゲート型マグネットメータを使用して測定したため,磁場の変化があまり見られなかった.他の研究においては,火山噴火に伴う磁場変化は10^<-12>のオーダーに変化が現れることが報告されている.今後の展開としては,これら測定データより,0.1〜0.01Hzの電場スペクトルを入力データとして用い,ニューラルネットワークやファジィにより,爆発の前後のスペクトル変化のモデリングを行う予定である.
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