研究概要 |
組合せ最適化問題は,いくつかの数値データを用いてある組合せ構造をもつシステムを表し,最適な状態(解)を求める.本研究では,与えられた実行可能な解を最適にするように,逆にデータを修正する問題である逆最適化問題を扱った.主に,ネットワーク構造をもつ問題に対するミニマックス型逆最適化問題の構造とアルゴリズムの研究を行った. 1.最小カット問題に対するミニマックス型逆最適化問題:与えられたカットが最小容量をもつように,枝容量を修正する問題.既存の研究では,下限容量が0に固定されていたが,下限容量まで考慮した場合について,最大平均カット問題と深い関わりがあることを示し,最大平均カット問題に対するアルゴリズムを適用することで効率的に解けることを示した. 2.一般化最小費用流問題に対するミニマックス型逆最適化問題:各枝に利得/損失のある一般化ネットワーク上の実行可能流が最小費用となるように枝費用を修正する問題.枝に利得/損失のないネットワーク上の最小費用流問題に対するミニマックス型逆最適化問題が最小平均閉路問題に帰着できることが知られていたが,一般化ネットワーク上でも,この関係の一般化が成り立つことを示した.さらに,パラメトリックサーチによるアルゴリズムを詳しく解析することで,繰り返し回数がこれまで知られている回数よりも少なく押さえられることを示した.
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