研究概要 |
本研究は,研究代表者が過去に提案したMUSE(the Method of Urban Safety Analysis and Environmental Design)と名付けられた都市の解析手法のビジョンを社会的に実用化することの可能性を考察することを目的としている.これは,GIS(地理情報システム),モバイルコンピュータ,リモートセンシングなどの最新情報通信技術を用いて,都市の情報を認識し,リアルタイムシミュレーションを行い,防災・環境等を考慮した都市の解析・評価・設計等を行うものであり,また21世紀における市民・都市空間・情報との関わり方のビジョンを示したものであった.本奨励研究では,東京都内のある地区を「サイバーシティ」モデル地域とし,国際的な標準化が進められている都市空間データ基盤(道路,街区など都市空間環境の各種データ)の性能的な定義を明確にし(「意味論」),都市の物的環境要素の関係性から仮想のデジタル都市「サイバーシティ」を構築し,交通量,延焼危険性,建物倒壊危険性など都市状況の様々なシミュレーションを行う(「統辞論」)ための調査研究に重点をおいている. 本年度は,(1)空間データ基盤標準化の動向整理GISの分野で世界的に進められている空間データ基盤標準化の動向を整理し,それらを踏まえ都市性能を考慮した各物的要素の定義づけを行い,(2)都市評価手法を整理し,「サイバーシティ」に必要な要素を抽出した.また研究を進めていくうえで必要となる画像処理,CADソフトおよびPC等を購入した. 来年度は,東京都内の具体的な調査地をとりあげ,サイバーシティを構築し,研究を進める予定である.
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