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2002 年度 実績報告書

ポピュレーション・アライメント衝突輻射モデルによる偏光プラズマ分光

研究課題

研究課題/領域番号 13780386
研究機関京都大学

研究代表者

岩前 敦  京都大学, 工学研究科, 助手 (90322156)

キーワード偏光プラズマ分光 / 衝突輻射モデル / 非等方電子速度分布 / ベリリウム様酸素 / ヘリウム様炭素 / 中性ヘリウム / 国際情報交換 / イギリス・アメリカ
研究概要

ベリリウム様酸素(OV),ヘリウム様炭素(CV)に対するポピュレーション・アライメント衝突輻射(PACR)モデルを用いて,電子速度分布関数の非等方性が発光線の偏光に与える影響をシミュレーション計算した。その結果,Fujimotoらによって(Phys. Rev. E54(1996)R2240)報告されたWT-3トカマクでのOV 2s3s ^3S_1-2s3P ^3P_<0,1,2>遷移線(λ227.792,227.727,227.089nm)やCV(1s2s^3S_1-1s2p^3P_2)遷移線(λ278.987,278.699,278.101nm)の偏光分離スペクトルに表れたπ・σ光の強度交代が,プラズマ中の電子速度分布関数の非等方性により起因された偏光の変化であるとするには,非常に大きな非等方性が誘起される必要があり,そのような非等方性が数10msの間に縦アライメントA_Lの符号を反転する,つまり,トロイダル軸方向に優位な電子速度分布からポロイダル方向に優位な電子速度分布に変化するとの条件が必要であることが見出された。また,TRIAM-1Mにおいて観測されたOV 2s3s ^3S_1-2s3P ^3P_<0,1,2>遷移線の解析からJ=1-0遷移は無偏光であることから,観測系の縦アライメント測定の誤差を実験的に評価する手法を考案し,TRIA M-1M, WT-3のOV遷移線について評価したところ,測定に使用したイメージインテンシファイア付きCCDの動作特性上π・σ光に見かけ上の強度交代が現れることを明らかにした。よって,WT-3,TRIAM-Mでは測定系の精度以上の偏光は観測されなかったと結論づけた。
カスプ磁場装置のマイクロ波加熱プラズマ(T_e〜20eV, n_e=10^<17>m^3)に対してHeガスを用いた定常放電を行い中性ヘリウム(HeI)発光線の偏光測定を行い,2^1S-3^1p遷移線(λ501.6nm)A_L=-0.05程度の縦アライメントが得られることを見出した。中性ヘリウムHeIに対するポピュレーション・アライメント衝突輻射モデルを構築に必要な断面積を収集し一部PACRモデルを完成させた。定性的には,電子速度分布関数が磁場軸に沿って優位な分布を持つ場合に負の縦アライメントを生ずることが見出された。定量的な評価には断面積データがさらに必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 岩前 敦(Iwamae Atsushi): "偏光プラズマ分光 3.磁場閉じ込めプラズマに置ける偏光プラズマ分光 Plasma(Polarization Spectroscopy on Magnetically Confined Plasma)"プラズマ・核融合学会誌(J.Plasma Fusion Res.). 78・8. 738 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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