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2002 年度 実績報告書

分光計測を用いた超高ベータプラズマ平衡・加熱機構の検証

研究課題

研究課題/領域番号 13780395
研究機関大阪大学

研究代表者

井 通暁  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00324799)

キーワード核融合プラズマ / FRC / 磁場反転配位 / 高ベータ / 分光計測 / 追加熱 / 中性粒子ビーム入射
研究概要

大阪大学FIX装置において、磁場反転配位(FRC)プラズマの追加熱実験が行われており、中性粒子ビーム入射(NBI)による配位持続時間の大幅な向上や、プラズマ安定化等の効果が確認されている。本研究ではNBIによるプラズマ加熱の詳細な検討を行った。本補助金にて、プラズマ中の不純物発光スペクトルのドップラー広がり測定によるイオン温度計測装置、および、YAGレーザを用いたトムソン散乱電子温度計測装置を整備した。NBIによってプラズマの電子温度には20eV程度の有意な増加が観測された。反面、イオン温度に関してはNBIによる顕著な変化はみられず、NBのパワーは主にプラズマ中の電子に吸収されているものと考えられる。これは、NB高速イオンとプラズマ中の電子ないしイオンとのエネルギー緩和時間の見積もりから予想される傾向と一致する。FRCプラズマの準定常状態におけるイオン温度および電子温度の時間変化から、電子の熱損失パワーは数百kW程度となることが確認された。これは入射しているNBのパワーと同程度であり、電子温度上昇はNB高速イオンと電子とのクーロン衝突によるものであると考えることができる。また、NB入射時のFRCプラズマの輸送に関する検証を行った。NB入射のパワーは、プラズマの全損失にくらべて一桁程度小さいことから、NB入射時に観測された配位持続時間の大幅な伸張は、閉じ込め性能の向上に起因しているものと考えられる。磁束閉じ込め時間や体積の減衰時間等の評価を行った結果、電子温度の上昇によるプラズマの低効率の減少が拡散を低下させるというモデルが実験結果を非常によく表していることが明らかになった。拡散係数の値としては、古典拡散とボーム拡散の中間程度の値となり、LSX等の実験で得られているスケーリング則に比較すると2〜3倍程度小さな値をとることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Inomoto: "Electron Temperature Measurement of NB-aided FRC in the FIX device"Proceeding of US-Japan Workshop on Physics of Compact Toroid Plasmas. (CD-ROM). (2002)

  • [文献書誌] M.Inomoto: "Investigation of Electron Heating Effect in NB-injected FRC"Proceedings of the 2002 US-Japan Workshop on New Directions in Controlling and Sustaining Compact Toroids. 132-137 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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