1.平成12年度にLHDで実施したメタン入射実験の解析を行い、そのプラズマへの影響を評価した。メタンプラズマ自体は水素プラズマとほぼ同等の性質を有するが、メタン放電前後のアイスペレット入射プラズマにおいては顕著な変化が見られた。今回の解析では、メタン放電後のペレットプラズマにおいて、1)金属不純物混入量の減少、2)粒子輸送の改善、3)熱輸送の改善、を確認した。この成果は平成13年に行われた"8th IABA Technical Committee Meeting on H-Mode Physics and Transport Barriers Physics"において発表され、Plasma Physics and Controlled Fusion誌に掲載予定である。 2.平成13年度のLHD実験においてネオンガスパフによるプラズマ生成を試みた。実験結果として、1)イオン及び電子温度の増加(LHDにおける最高イオン温度5keVを記録した)、2)反磁性信号の増大、3)プラズマ電流の増大、などが得られ、LHDの実験領域拡大に寄与した。詳細については現在解析中であるが、電子のエネルギー閉じ込めに関して、水素とネオンでほぼ同様であることを示唆する結果を得つつある。これはトカマクなどで観測されているRI-modeとの比較という観点で重要な意味を持っている。一方でイオンの熱輸送に関してはネオンプラズマにおけるイオン密度の評価に難点があるため、定量的な結果を出すことが困難になっている。これは、プラズマ周辺におけるネオンのライン輻射が多く、制動輻射の正確な見積もりが出来ないことに起因している。平成14年度の実験においては、炭素及びホウ素の固体不純物ペレット入射を行うことでこの問題を解決し、イオンの電荷及び質量数と閉じ込め性能との関連について調べる。
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