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2002 年度 実績報告書

環境トレーサーを用いた降水起源の推定に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13780426
研究機関筑波大学

研究代表者

山中 勤  筑波大学, 地球科学系, 講師 (80304369)

キーワード水循環 / トレーサー / 同位体 / 降水 / 大気水輸送 / 陸域再循環 / 東アジア
研究概要

前年度に継続して、日本およびモンゴルにおいて降水サンプルを採取し同位体組成を測定した。また、同時に実施している気象・水文観測結果とあわせ、陸域水文過程における同位体組成変動の解析・モデリングを行った。その結果、密な植生条件下では降水の同位体組成はほとんど変化せずに大気へフィードバックされるものの、疎な植生条件下では非平衡な同位体分別効果が無視できないことが確認された。すなわち、降水に占める陸域起源水蒸気の寄与率を算定するためには、蒸発に伴う分別効果を受けた後の水蒸気の同位体特性をより詳しく知る必要がある。このため、水蒸気の同位体研究に関する世界的権威であるProf.Ronald Smithを米国Yale大学に訪ね、同位体組成測定用の大気水蒸気サンプリング手法ならびに解析手法に関して議論した。また、降水起源域の同定に関する共同研究に着手した。一方、従来の研究で行われてきた降水同位体の内陸傾度を用いた陸域再循環率の算定手法について、本研究で得られた同位体データをもとに検討を加えたところ、この手法は場の地理的条件に大きく制約され、東アジア域への適用は妥当でないことが明らかになった。したがって、東アジア域での陸域再循環率の算定においては、本研究で開発したFootprint Analysisの適用価値が高いといえる。今後、水蒸気同位体の実測結果を踏まえた改良を継続してゆく予定である。なお、Footprint Analysisを用いた研究成果は、地球物理学界において世界的に最も評価の高い国際学術誌(Journal of Geophysical Research)に掲載され、中国華北平原への適用結果については水文学分野の国際学術誌に投稿中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yamanaka, T., Shimada, J., Miyaoka, K.: "Footprint analysis using event-based isotope data for identifying source area of precipitated water"Journal of Geophysical Research-Atmosphere. 107(D22). doi:10.1029/2001JD001187 (2002)

  • [文献書誌] 山中 勤, 嶋田 純, 濱田洋平, 田中 正: "イベント降水同位体組成からみた中国東部の大気水輸送過程"日本地理学会発表要旨集. No.61. 204 (2002)

  • [文献書誌] 山中 勤: "降水の安定同位体組成に関する内陸効果の再検討"地球惑星科学関連学会2002年合同大会予稿集. H002-H002 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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