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2001 年度 実績報告書

ヘムによる酵素機能のスイッチング

研究課題

研究課題/領域番号 13780496
研究種目

奨励研究(A)

研究機関山形大学

研究代表者

小崎 紳一  山形大学, 教育学部, 助教授 (40280581)

キーワードヘム蛋白質 / 機能-構造相関
研究概要

ヘムを補欠分子として持ちながら、酸化-還元に関わらない反応を促進するユニークなヘム酵素の例として、セリンとホモシステインの縮合反応を行うシスタチオニンシンターゼ(CBS)を取り上げ、本酵素におけるヘムの役割を解明するのがこの研究の目的である。
本プロジェクトの初年度にあたり、平成13年度は、研究材料であるシスタチオニンシンターゼを大量に得る方法を検討した。これまでに、T7プロモータを持つベクターやガラクトシダーゼとの融合蛋白質を作るシステムなどで酵素の発現・精製を試みたが、収量が少なかった。そこで、今回、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白質を作成したところ、シスタチオニンシンターゼの発現量が増加し、今後の実験を行うのに充分な量の酵素を高い純度で得ることができた。
次に、本酵素の活性測定法として、生成物であるシスタチオニンを1)ニンヒドリン反応に基づき吸収スペクトルで分析する方法、2)フェニルイソチオシアネート(PITC)誘導体あるいはフェニルチオカルバモイル(PTC)誘導体として高速液体クロマトグラフィーで分析する方法、を新たに確立した。これらの方法は、放射性セリンを用いたこれまでの活性測定法よりも簡便であり、シスタチオニンシンターゼの機能を探る実験を効率的に進める上で有用であると考えられる。
本年度に培ったシスタチオニンシンターゼの研究ノウハウをもとに、来年度は、「シスタチオニンシンターゼではヘムが酵素機能を制御する役目を持っているのではないか」という仮説の検証を進める予定である。さらに、変異体の作成、活性測定、酵素の結晶化、共鳴ラマンの測定などを行い、酵素の機能-構造相関を考察することで、本酵素におけるヘムの役割に迫る計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ozaki, S., Watanabe, S., Hayasaka, S., Konuma, M.: "The Activation of Molecular Oxygen by Horseradish Peroxidase with Sodium Sulfite"Journal of Chemical Society Chemical Communication. 1654-1655 (2001)

  • [文献書誌] Ozaki, S., Roach, P.M., Matsui, T., Watanabe, Y.: "Investigations of the Roles of the Distal Heme Environment and the Proximal Heme Iron Ligand in Peroxide Activation by Heme Enzymes"Accounts of Chemical Research. 34. 818-825 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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