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2001 年度 実績報告書

個体におけるタイトジャンクションの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 13780570
研究種目

奨励研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

古瀬 幹夫  京都大学, 医学研究科, 助教授 (90281089)

キーワードタイトジャンクション / クローディン / 上皮細胞 / 皮膚 / 表皮 / 尿細管 / 腎臓
研究概要

1)クローディン1欠失マウスの表現型の解析
前年度に作出に成功したクローデイン1欠失マウスについて、今年度はその表現型の解析を行った。クローデイン1欠失マウスは全てが出生後24時間以内に死亡した。外見上皮膚に異常が見られたことから、皮膚のバリア機能に焦点を絞って研究を進めた結果、このマウスは皮膚からの水分蒸発過多による極度の脱水に陥ることが明らかになった。さらに、クローディン1が表皮細胞に強く発現しており、そのうち顆粒細胞に連続したタイトジャンクションが存在することが電子顕微鏡レベルで明らかになった。また、新生児マウスの皮下に注射したトレーサーが、クローディン1欠失マウスでのみタイトジャンクションの位置を越えて角化層へ流れ出ていることを明らかにした。以上の結果は、タイトジャンクションが水分蒸発に抗する皮膚のバリア機能に必須であることを示しており、個体では、単層上皮、重層上皮のいずれにおいてもタイトジャンクションが形成するバリアが普遍的に重要であることを意味する。哺乳類の皮膚にはバリアとして機能的なタイトジャンクションが存在しないというこれまでの通説を完全に覆すものとして、本研究は皮膚科学にもきわめて強いインパクトを与えると思われる。
2)腎臓尿細管におけるクローディンファミリーの発現の検討
一続きの上皮の管でありながら、部位によってタイトジャンクションが形成するバリアの特性が異なることが生理学による過去の研究から知られている尿細管におけるクローディンの発現を、マウス腎臓を用いて調べた。予想通り、尿細管の部位によって、発現するクローディンの組み合わせが大きく異なることが明らかになり、クローディンの組み合わせがタイトジャンクションのバリア特性を決定する重要な要素であることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Furuse, M., et al.: "Claudin-based tight junctions are crucial for the mammalian epidermal barrier : a lesson from claudin-1-deficient mice"J. Cell Biol.. 156. 1099-1111 (2002)

  • [文献書誌] Tsukita, Sh., et at.: "Multi-functional tight junction strands"Nat. Rev. Mol. Cell Biol.. 2. 285-293 (2001)

  • [文献書誌] Kiuchi-Saishin, Y., et al.: "Differential expression patterns of claudins, tight junction membrane proteins, in mouse nephron segments"J. Am. Soc. Nephrol.. 13. (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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