1. 以下の2つの手法を用いて、Xdazl蛋白質が結合するRNAの特定を目指した。 (1)SELEX法による、in vitroでのRNA選別 ランダムな25塩基の配列を持つRNAプールを合成し、GSTタグの付いたXdazl組換え蛋白質(GST-Xdazl)と反応させた。GSTタグを利用してGST-Xdazl蛋白質とRNAの複合体を反応液から回収し、結合しているRNAを抽出、cDNAに逆転写してPCRで増幅した。増幅したcDNAは次のサイクルのRNA合成の鋳型として用い、RNAの選別を繰り返した。7サイクルの選別を行った後、得られたcDNAの塩基配列を決定し、Xdazl蛋白質が結合するRNAに共通の塩基配列を決定した。 (2)免疫沈降法による、ツメガエル卵細胞からのmRNAの精製 抗Xdazl抗体を用いた免疫沈降法により、ツメガエル卵母細胞からXdazl蛋白質に結合しているRNAを直接回収し、クローニングした。得られたcDNA断片の塩基配列をデータベース検索し、ターゲットとなるmRNAの候補を幾つかに絞り込んだ。 現在、候補としてあげたmRNAと、Xdazl蛋白質との結合可能の有無を、UV-crosslink法で確認する作業を進めている。更に、変異を入れたmRNAに対する結合能の変化を調べ、Xdazl蛋白質のターゲットとなるmRNAの特定を目指す。 2. 成熟卵型のXdazl蛋白質(分子量40kDa)を脱リン酸化処理すると、未成熟卵型と同じ37kDaに戻った。また、未成熟卵型のXdazl蛋白質を脱リン酸化処理しても、移動度に変化は無かった。従って、卵成熟に伴うXdazl蛋白質の修飾は、リン酸化による。 現在、RNA結合力に及ぼすリン酸化の影響をin vitroの系で調べている。
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