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2002 年度 実績報告書

ホヤ胚を用いた分裂回数を制御する因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 13780595
研究機関甲南大学

研究代表者

山田 温子  甲南大学, 大学事務部, 博士研究員 (60333217)

キーワードホヤ / 分裂回数 / 14-3-3 / CAB / 細胞分化 / 細胞周期 / 不等分裂 / MS / MS
研究概要

本研究の目的は細胞分裂回数を制御する因子を探索することであり,本年度は14-3-3遺伝子に着目して研究を行った。哺乳類では7種の14-3-3遺伝子が存在し,細胞周期を含む様々な発生過程に機能している。今回,京大,佐藤らによるcDNAプロジェクトの結果を検索したところ,ホヤ胚には少なくとも7種の14-3-3遺伝子が存在するものの,哺乳類の分子種とは一対一対応しないことが分かった。ホヤ独自の遺伝子重複が起こった可能性が考えられる。これらホヤ14-3-3遺伝子のうち,本研究では2分子に注目し解析を行った。
(1)14-3-3ε-a:この遺伝子はホヤ神経胚期以降の予定筋肉細胞で強く発現する。神経胚期は。筋肉細胞の最終分裂期であることから,この遺伝子が筋肉細胞の分裂停止を制御している可能性があった。そこで,ホヤ胚に異所的な筋分化を引き起こす実験系(筋肉決定因子Cimachoや:MyoDのホヤホモログの過剰発現胚,及びMEK阻害剤処理胚)において14-3-3ε-aの発現を調べたところ,異所的発現が観察された。即ち,この遺伝子の発現は筋分化に密接に関係していることが分かった。次に,モルフォリノオリゴ注入による14-3-3ε-aの機能阻害実験を行ったが,初期卵割や形態形成に異常はみられず,筋細胞数の変化も観察されなかった。用いたモルフォリノオリゴがin vivoで翻訳阻害効果を持っていなかった可能性があるため,分裂停止に関するこの遺伝子の役割は不明のままである。
(2)14-3-3ε-b:市販の抗14-3-3抗体は,ホヤの不等分裂に関わるCABを認識した。この抗体による免疫沈降産物をMS/MSによって解析したところ,14-3-3ε-bであると同定された。線虫やハエでは14-3-3がPAR-1と結合し不等分裂を制御する。このころから,ホヤにおいても14-3-3が不等分裂に関与している可能性が示唆された。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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