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2001 年度 実績報告書

眼球運動運動学習に関する生理工学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13780643
研究種目

奨励研究(A)

研究機関中部大学

研究代表者

平田 豊  中部大学, 工学部, 講師 (30329669)

キーワード小脳 / 前庭動眼反射 / 運動学習 / 霊長類 / モデル / Y group / 神経活動 / プルキンエ細胞
研究概要

前庭動眼反射(VOR)は頭部運動時に眼球をそれとは反対方向に同じ速さで動かす反射性眼球運動である。これにより我々は運動中も安定した視覚を得ることができる。VORは成長や老化に伴う眼球筋肉系の特性変化や、左右逆転プリズム等により実験的に作り出される前庭-視覚情報の競合に対し、コントローラの特性を適応的に変化させる運動学習系であり、生体における運動制御ならびに学習・記憶のメカニズムを理解する上で格好の糸口と考えられている。本研究では、工学的手法と生理・解剖学的手法を融合したアプローチにより、こうしたVORの運動制御ならびに運動学習のメカニズムを解明することを目的とした。実験動物にはリスザルを用いた。まず、従来の解剖学的知見に基づき、サルVORに関わる神経回路網を機能別に構成された複数の伝達関数により記述した。次に、サルのVOR運動学習実験を行い、学習前、中、後で頭部運動、視覚刺激、眼球運動ならびにVOR運動学習に関わる小脳片葉のPurkinje細胞発火パターンを同時計測した。そして、これらのデータから学習前・中・後の各伝達関数の特性を同定した。その結果、頭部運動情報を処理するもののうち、小脳片葉を含む経路ならびに小脳片葉を含まない経路で伝達関数に変化がみられた。これより、VORの運動学習と記憶には小脳片葉の他に少なくとも1つの脳内部位が関与していると結論できる。モデル構造と解剖学的知見との対応から、そうした脳内部位として、小脳片葉から投射を受けるDorsal Y groupならびに前庭神経核Flocculus Target Neuronsが有力候補として挙げられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hirata Y., Highstein, S.M.: "Acute adaptation of the vestibuloocular reflex : Signal processing by floccular and ventral parafloccular Purkinje cells"Journal of Neurophysiology. 85. 2267-2288 (2001)

  • [文献書誌] Hirata Y., Highstein, S.M.: "Analysis of the discharge pattern of floccular Purkinje cells in relation to vertical head and eye movement in the squirrel monkey"Progress in Brain Reserch. 124. 221-232 (2000)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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