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2001 年度 実績報告書

シナプス逆行性伝達機構の解明を目的としたシナプス前終末記録による直接的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 13780654
研究種目

奨励研究(A)

研究機関神戸大学

研究代表者

鈴木 紀光  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10322207)

キーワードシナプス / シグナル伝達 / 小脳プルキンエ細胞
研究概要

中枢シナプスは、伝達物質を放出する側のシナプス前終末と伝達物質を受け取る側のシナプス後細胞の、2つの構成要素からなる。このシナプスでの情報伝達はシナプス前終末から後細胞への流れのみであると理解されていたが、近年になり後細胞から前終末への逆行性の情報伝達が存在することを示す現象が報告されてきている。しかしながら、この逆行性のシグナル伝達の詳細は不明である。この現象の理解を妨げている要因の一つとして、シナプス前終末からの記録がほぼ不可能であることが挙げられる。本研究ではこの問題を克服するため、巨大シナプス前終末から記録することによる直接的なアプローチを試みた。
小脳プルキンエ細胞では細胞体での強力な脱分極が引き金となり、入力する抑制性シナプスの伝達物質放出が抑圧される現象、DSI(Depolarization-induced suppression of inhibition)が知られており、この現象はシナプス後細胞からシナプス前終末へ何らかのシグナルが逆行性に伝達されることにより誘導されると考えられている。シナプス逆行性伝達機構の解明を目的として、本研究では逆行性伝達の現象が知られているこの小脳巨大シナプス前終末から記録するという直接的なアプローチを試み、実際このシナプス前終末記録に成功した。現在、シナプス前終末で引き起こされる現象に着目しながら、この現象のシグナル伝達の詳細な理解を試みている。現状ではこのシナプス前終末からの記録は実験として効率が良くなく技術的な改良が要求されている。より効率的に試行できるよう技術的改善を試みる一方で、シナプスレベルに留まらない神経回路レベルからの視点を取り入れ、より多角的にこの現象を理解していく方向で進めている。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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