研究概要 |
電動介護車両の走行中に対する非接触電力伝送システムの送電側ステーションについて、移動体における給電が可能な各コイル形状や配置について検討を行った.背面にセンダストシートを装着した薄型スパイラル型コイルを励磁タイルとして構成し、約200W程度の電力伝送を可能とした. また各コイル配置における合成磁界を検討し、車椅子の移動速度と給電可能範囲の相対的な関係における適切な磁界分布についての知見を得た.更に移動体受電側に配置される非接触カップリングコイルの構造についても検討を行い,薄型磁性体の併用で必然的に開磁路となる構造を補正し、送受電コイルの相対的サイズを適宜変更する事で伝送特性を改善,約80%程度の伝送効率を確保する事ができた.一方,周囲への磁場環境の影響も考慮する必要がある事から,近接センサを用いて送電側と受電側の相対的位置検出法を構成し,それに併せて受電側直下に送電側が位置した場合のみ励磁を行う部分的な励磁制御回路の基礎的な動作についても確認を行った.このシステムの動作が確認できた事から、電気二重層コンデンサを車椅子に搭載し、コイル間電力供給との併用駆動を目的としたシステムの実現も可能な事から,その検討として、送電コイル配置間距離とコンデンサ容量の関係についてもデータを得る事ができた. 電源の構成としては,送電側は高周波電力増幅器,受電側はコンバータとの接続をそれぞれ基本とし,最小ユニットでの励磁回路の基本的な動作確認を行い,全体的なシステム構成についての検討を可能とした.起動時、終了時などにおける機器オペレーションシステムの開発と,給電状況等の種々の状況を常時適切に知らせるインターフェースの開発は必要不可欠であるため,その検討として、コイルの電圧、電流等の電気的パラメータをモニタリングするシステムについても基礎的な回路による試作を行った.
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