• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

超音波リニアモータを使用した完全埋め込み型人工心臓の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13780669
研究機関東北大学

研究代表者

田中 明  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10323057)

キーワード人工心臓 / システム同定 / 循環制御 / 差圧・流量推定
研究概要

本年度は超音波モータを使用した人工心臓システムの構築の基礎的研究として,1)超音波モータの基本特性の調査およびいくつかのデザインの検討,2)心房の吸着防止を含む循環制御アルゴリズムの構築,3)供給電力およびモータ回転数による差圧・流量推定アルゴリズムの構築の3つを行った.
作成した試作ポンプは流量・負荷特性は実用レベルであったが,効率・耐久性に問題があり,実用化に向けて更なる改良が必要である.
昨年度開発した,左心は体循環の制御を行い,右心において吸着を防止するような制御アルゴリズムについて,モック循環系および山羊を用いた急性動物実験を行い,その制御特性を検討した.その結果,本制御法によって,吸着を防止しつつ左心における循環制御を行えることが示された.本制御の利点は,吸着発生の前兆もしくは発生時に左心の循環制御を中断することを回避できることである.また,これまで考慮していなかった肺循環系の動特性を考慮した制御アルゴリズムの導入の必要性が明らかになった.
昨年度提案した,ARXモデルを利用した差圧・流量推定アルゴリズムについて,本年度は,回転数および電流計測法の改善と実験によるアルゴリズムの検証を行うとともに,実用性を考慮して,予めモック等で同定したパラメータで動物実験中に推定可能であるかを検証した.その結果,粘性が変化した際の推定精度を向上することができ,流量の推定精度は実用レベルであったが差圧の精度は流量に比べ低く課題が残った.さらに,本推定システムを体内に埋め込むことを考慮して,本アルゴリズムをマイコンに実装した小型の推定システムを開発し,モック実験においてその有効性が確認された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Yoshizawa et al.: "Sensor-less estimation of pressure head and flow of a continuous-flow artificial heart based on input power and rotational speed"ASAIO Journal. 48・4. 443-448 (2002)

  • [文献書誌] T.Yambe et al.: "Correlation dimension of the artificial circulation"J Artificial Organs. 5. 1-5 (2002)

  • [文献書誌] A.Tanaka et al.: "In vivo test of pressure head and flow rate estimation in a continuous-flow artificial heart"Artificial Organs. 27・1. 99-103 (2003)

  • [文献書誌] P.S.Olegario et al.: "Outflow control for avoiding atrial suction in a continuous flow total artificial heart"Artificial Organs. 27・1. 92-98 (2003)

  • [文献書誌] T.Yambe et al.: "Recent progress in artificial organ research at Tohoku University"Artificial Organs. 27・1. 2-7 (2003)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi