本年度は前年度の「実サイズ光トモグラフィ」の基礎実験をもとに、本手法を用いた具体的な医療診断への応用を検討した。光ファイバ干渉計を中心としてin vivo生体イメージングを行い、皮膚科、消化器系をはじめとする病変部診断への検討を行った。 (1)前年度に引続いて、光ファイバ干渉計や微小光学/集積光学技術を用いて実サイズ生体光トモグラフィ装置を小型・安定化した。(測定光学系のサイズは40X40cm^2である) (2)上記試作装置を用いて、断層イメージングおよび屈折率分布測定による病変部の高精度光診断を検討した。ヌードマウスを用いたイメージングの基礎実験により、正常部/腫瘍部の識別ができることを確認した。 (3)消化器系への応用として胃壁、腸壁における病変部の早期診断への基礎実験を行った。とくに照射レンズの集光効果に着目し、新たに断層面内において常に焦点位置でイメージングが行えるインフォーカスOCTを提案し、癌の早期診断に重要な粘膜筋板の高精細なイメージングを可能にした。 (4)また、レーザ/共焦点光学トモグラフィを提案し、多波長光トモグラフィへの展開を検討した。とくに、皮下組織の分光イメージングを取得し、これをもとに表皮下の血中酸素濃度や沈着色素の分布測定を検討した。
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