研究概要 |
吸収性ポリ乳酸を骨膜下インプラントとして応用し,さらにBMP(骨形成因子)を吸収性ポリ乳酸表面に複合化する事により,短期間で確実にかつ強固な骨性結合が得られ,加えて生体内で吸収され矯正治療後に撤去の必要がない歯科矯正治療専用の新しい吸収性メッシュ状骨膜下インプラントの開発を本研究の目的とした。平成13年度の研究実績として,矯正治療の固定源に用いる吸収性インプラントマテリアルとしてポリ乳酸が適当な生体材料であるか検討する.実験動物としてビーグル犬を用いた.まず,骨内に移植可能な場所を確保するためにビーグル犬上下顎第4小臼歯を抜歯した.この抜歯部の骨性治癒が起こるまで通常3から6か月を必要とする.現在抜歯部の創傷治癒を待っている状態である.今後、抜歯部治癒を待って、スクリュー状吸収性ポリ乳酸インプラント単体を専用ドリルを用いて骨内に埋入し,経時的に引っぱり強さを測定して維持力の推移を検討する予定である.また、このスクリュー状吸収性ポリ乳酸インプラントを固定源として歯の移動実験を行う予定である.
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